FIT e:HEV: 純正ナビ(VXU-205FTi)のレビュー
目次
FIT e:HEVの純正ナビの選び方
FIT e:HEVの純正ナビは、メーカーオプションの「Honda CONNECT ディスプレー+ETC2.0 車載器」か、本稿で取り上げるディーラーオプションの「9インチ プレミアム インターナビ」から選択できます。
装着
センターコンソール内に9インチの大きな画面がすっぽりと収まり、FIT e:HEVの特長である、視界の良さを妨げないようになっています。液晶の視野角も広く、助手席や後部座席からの視認性も高くなっています。
操作系は、フルタッチパネルだった先代フィットから打って変わってハードキーとアナログダイヤルに回帰していて、運転中も操作しやすくなっています。
メーカーオプションの「Honda CONNECT for Gathers+ナビ装着用スペシャルパッケージ」(以下「ナビスペ」)を装着すると、ハンドルに装着されるステアリングスイッチで音量と選曲などの操作ができるようになります。なお、先代フィットにあったハンズフリー通話用のスイッチは無くなりましたが、着信するとメーターに着信画面が表示され、これまで通りステアリングスイッチの操作のみで応答ができるようになっています。
ナビ機能
ゼンリンの全国地図を搭載しており、そこそこの都会であれば市街地図が一軒一軒細かく収録されています。地図表示はHD表示に対応しておらず、従来のWVGA表示を拡大表示しているため、近づいて見ると文字やアイコンがぼやけて見えるところが残念です。
測位性能は特に問題を感じません。立体駐車場などで自車位置を見失っても、見晴らしの良いところに出れば、すぐに正しい位置を示します。
地図更新は、発売から3年間はHonda Total Care会員サービスとして無料で受けられます。4年目以降は有料となります。
オーディオ機能
オーディオ機能は価格の割には目立った機能は付いていないが、必要なものはひととおり揃っています。パナソニック製なのでブルーレイも見られればいいのにとは思います。
テレビ
テレビ視聴時はHD液晶の性能をフルに活かすことができます。使うかは別として、データ放送や番組表(EPG)など、家庭用テレビに匹敵する機能を持ちます。
受信感度は良好で、立体駐車場の中などでもそれなりに受信できます。地上デジタル放送を受信できないときは、自動的にワンセグにフォールバックするようになっています。
Bluetoothオーディオ
車内で音楽を聴くときに一番使うのがBluetoothオーディオかと思われます。
iPhoneと接続した場合、ナビ画面上から再生モードの切り替えと選曲ができます。コーデックはAACにも対応しており、AAC対応のスマートフォンから音を飛ばせばそれなりの音質で聴けるようになっています。最近対応機種が増えてきているアートワークの表示には対応していないのは残念です。
市販のストラーダは2019年モデルからBluetoothデバイスを5台までペアリングできるようになりましたが、このナビは2台までしかペアリングできません。取扱説明書に記載はありませんが、Bluetoothのバージョンは4.0+EDRで、対応オーディオコーデックはSBCとAACのみとなっています。
CD、その他
イジェクトボタンを押すとモニターが開き、光学ディスク(CD・DVD)とSDカードを挿入できます。近年のメーカー純正ナビではディスクスロットが非搭載になる例が増えていますが、本機種はこれらのメディアに対応しています。
前述のナビスペを装着した場合、USB端子も装備され、USBメモリーやiPodに保存した音楽を聴くこともできます。iPhoneをつなげばiPodとして認識し、充電しながらナビ画面上で選曲もできます。
先代フィットには装備されていたHDMI端子は、FIT e:HEVでは廃止されてしまいました。外部入力は映像入力に対応せず、音声(AUX)のみとなっています。
音質設定
サウンド設定画面には、フェード/バランス、エフェクト、イコライザーと必要な機能が一通り揃っています。
さらに“スピーカー設定”ではタイムアライメントとスピーカー出力レベルの設定が、“オーディオ詳細設定”では車速連動音量の設定ができます。
純正スピーカーの感想ですが、低音はそこそこ出ているが、高音が雑というのか、社外品のスピーカーと比べたら全然良くないので、スピーカーはそのうち取り替えたいと思います。
車両連携機能
ナビスペを装着した場合に可能となる、エアコン操作フィードバックとターン・バイ・ターン表示について。
エアコン操作フィードバック
車両のエアコンを操作すると、設定内容がナビ画面上部に表示されます。運転中にエアコンを操作する場合、視点の上下移動が少なくなるので安全面でも有効な機能です。
ターン・バイ・ターン表示
ルート案内中に、交差点での進行方向がメーター画面に表示されます。先代フィットにもついていた機能ですが、FIT e:HEVでは一般道と有料道が色分け表示1され、走行中の路線名も表示されるようになりました。なお、交差点案内表示が不要な場合は設定でオフにすることもできます。
また、このナビを取り付けるとメーター内の時計が自動で合うようになります。地味ながら便利なポイントです。
動作の様子を動画で撮りました
まとめ
純正ならではの装着感、ゼンリン地図、必要十分なオーディオ機能を備えており、 20万円の価値はあると感じました。ホンダコネクトが使えるのも強みです。
一方、マルチメディア機能や音質にこだわりがある人は社外ナビをつけた方がいいと思います。一度純正ナビを取り付けると外すのが大変なので、納車前によく考えることをおすすめします。
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